助成先|平成29年度(2017年度)助成先

事業概要

緑による都市環境の改善に資する調査研究のため支援を希望する者に対し、当該調査研究活動に係る費用を助成しています。本事業は、技術開発基金の運用から生じた果実をもとに実施しています。

実施状況

平成4年度から開始された本事業は、平成28年度までに計74件の助成を行いました。

平成29年度(2017年度)助成対象者

平成29年度の調査研究活動の助成対象者は、都市緑化機構内に設置した選考委員会によって、応募された調査研究課題の都市緑化技術としての適確性、独自性、内容、方法の適切さ、成果の有効性等について評価がなされ、その結果、以下の4名の方と決定いたしました。

申請者/所属 研究テーマ・内容
小坂 英智
東京大学大学院
工学系研究科
都市工学専攻修士2年
「東京オリンピック・マラソンコースにおける緑化による温熱環境改善効果の評価」
我が国の大都心部では、温暖化・ヒートアイランド現象の進展により熱的ストレスによる健康被害が増大している。我が国は2020年夏季に東京でのオリンピックを控えており、競技者及び観戦者に対する暑さ対策が課題となっている。特に外部で長時間行われる陸上競技のマラソンはランナー及び観戦者にとって熱的ストレスが大きく、緑化をはじめとするマラソンコース上の温熱環境への改善策が求められる
そこで本研究は、東京オリンピックのマラソンコースの温熱環境を計測し、温熱指標COMFAを用いてランナー及び観戦者が受ける熱的ストレスを評価した上で、特に緑化による温熱環境軽減効果を評価することを目的とする。
祐安 孝幸
大阪府立大学大学院
緑地環境科学課程1年
「人工衛星データを用いた近畿圏における長期的なヒートアイランドの変遷の評価」
衛星データを入力とする都市ヒートアイランド評価システムを構築し、近畿圏を対象とした2000 年以降の日中・夜間のヒートアイランドの変遷を定量化する。卒業研究から晴天日を対象とした地表面熱収支モデルのプロトタイプは完成している。本研究ではモデルの高度化と精度検証を行い、2000~2017年の衛星データを整備して、ヒートアイランドの変遷を解明する。モデルの高度化として衛星画像の鮮明化(Kustas et al., 2003)や曇天日の評価(Zhang et al., 2015)技術をモデルに組み込む。広域のヒートアイランドの変遷の要因を解明し、都市ヒートアイランド対策について提言する。
東野 友哉
横浜国立大学大学院
博士課程前期2年
「コンジョイント分析による壁面緑化の利用者選好評価」
壁面緑化にはヒートアイランド現象の緩和や建築の省エネルギー化など、多岐に渡る効果があり、その効果も物理的な効果だけでなく、景観向上による心理的効果や広告効果など様々である。しかし、年別全国壁面緑化施工面積(国土交通省H27発表)はH23以降減少傾向である。これは利用者への効果が見えにくいことや施工後の維持管理の手間やコストなどが原因であると考える。
本研究では、コンジョイント分析を用いた調査を行うことで、壁面緑化の多様な効果について利用者が実際に求めている効果を分析・評価する。建築物に壁面緑化を導入する際の手掛かりや、緑化技術の開発・普及の手掛かりを得ることを目指す。
森崎 理哉
慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科
修士課程1年
「福井県三方湖ハス川流域におけるグリーンインフラストラクチャーの経済評価」
近年日本でも注目を集めているグリーンインフラストラクチャー(以下グリーンインフラ)の経済評価は、価値の「見える化」を促し政策等意思決定の指標となるため重要なものとなっているが、実際まだあまり行われていない。そこで、本研究では頻繁に氾濫が起きる福井県三方湖地域に着目し、生態系減災(Eco-DRR)の考え方をもとに、災害リスクの少ない地域へ移住した時の周辺経済への影響を評価し、グレイインフラとの経済的な比較を行う。また、その結果として得られたデータをもとに事前復興の際の街の防災・減災機能や、都市におけるグリーンインフラ(特に生態系減災)の重要性などに関して提言を試みる。

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