屋上・壁面緑化技術コンクール 受賞一覧(受賞回別)

第16回 屋上・壁面緑化技術コンクール 受賞一覧

※「屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」は、第16回より「屋上・壁面緑化技術コンクール」となりました。

「屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」今回の受賞団体は、以下の通りです。

第16回 国土交通大臣賞:屋上緑化部門 (東京都新宿区)
富久クロス全体管理組合、西富久地区市街
地再開発組合、株式会社久米設計、株式会
社まちづくり研究所、戸田建設株式会社一
級建築士事務所、株式会社LPD、戸田建設・
五洋建設共同体、イビデングリーンテック
株式会社
西富久地区第一種市街地再開発事業 Tomihisa Cross

 本作品は、約2.6haの施行区域内に、超高層分譲住宅、賃貸中心の中層住宅、3階と中層7階に配置された権利者向けのペントハウス住宅、低層部のスーパー、認定子ども園、権利者店舗等により構成された市街地再開発事業である。
 新宿御苑からの緑のネットワーク、環状4号整備によって廃止される西富久遊園の緑豊かな環境の継承に配慮して緑化を行った。
 地区施設として、人工地盤上に面積800㎡の広場1号、面積350㎡の広場2号を設け、地域に開かれた憩いの空間、イベントを行う賑わいの場として活用されている。人工地盤上の高木は、人々の動線の妨げにならないよう、地下支柱を採用し、高木自体の重さや風の揺れによって、沈まないような対策を施している。
 また、再開発前の緑の記憶を再現するように、2~6階の中層棟、3階と中層7階のペントハウスに植栽地を設けて、立体的な緑化、緑の丘を形成している。
 戸建に住まわれていた権利者の方々が、元の生活やコミュニティを継続させるため、人工地盤上に再開発前の景観を踏襲するように、路地や縁側・小広場を設け、専用庭付きの戸建風住宅を配置して、再開発前の西富久地区の原風景を再現した点が高く評価された。


第16回 国土交通大臣賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都江東区)
株式会社IHI
三菱地所株式会社
株式会社三菱地所設計
株式会社大林組
イビデングリーンテック株式会社
豊洲フォレシア壁面緑化

 本作品は、両隣の豊洲フロント、豊洲キュービックガーデンとともに、3街区で一体性のあるまちづくりを実現したオフィスビルの壁面緑化である。地区の中心軸となる晴海通り、生活軸となるけやき通りに面し、「職・住・学・遊」の機能が集まる豊洲の回遊性を高め、多種多様な日常生活を彩り、緑豊かな親しまれるパブリック空間を創出している。緑化システムは、メッシュ金網の箱に人工軽量土を充填した不織布を格納する形式の緑化パネルを採用した。パネル寸法や植栽密度が調整できるため、建物角部のR形状に沿うよう割付けを検討し、現場でも植栽密度を調整し、より高い初期完成度を目指した。
 本作品は、『Green Fall』というコンセプトのもと、緑化率は敷地面積の44%を確保し、屋上緑化・壁面緑化・地上部緑化によって、緑が建物上部から湧きだし、流れおちて地上部へ広がるイメージを全体で形成している。延長約120mの壁面を包むように緑化し、地上部のケヤキ列植等とともに、豊洲のまちなみにダイナミックで清々しい緑あふれる街路空間を創出したことが高く評価された。


第16回 環境大臣賞:屋上緑化部門 (東京都千代田区)
東京建物株式会社
大成建設株式会社
内山緑地建設株式会社
大手町の森

 本作品は、東京の最も密度の高い市街地の一つである大手町に創出した、高さ200mの超高層建築の足元に広がるほぼ全域が人工地盤上に整備された約3,600㎡の緑地である。
本事業は、都市再生特別地区の認定を受け、従来の広場整備とは一線を画した野生を併せ持った自然の森として整備を行った。
 排熱や強風、日照など過酷な都市環境下において、人工地盤上の限られた土壌で自然の森を永続的に成立させた例はかつてなく、計画・設計から施工の各フェーズで独自の技術を考案した。さらに、これを実証するための「プレフォレスト」という、森の一部を原寸で事前に別の場所で施工する取組を行った。完成したプレフォレストでは、実際に管理を行うことで人工地盤上に造成する自然の森ならではの、維持管理に関するノウハウと知見を獲得した。
 森のモックアップ「プレフォレスト」による様々な工夫、モニタリングを併用した管理フローの見直しと管理者のスキルアップなどにより、都市機能の更新やヒートアイランド現象の緩和、地域生態系の向上と共に、都市に新しいアメニティの提供を実現したことが高く評価された。


第16回 環境大臣賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都港区)
ペンブローク・リアルエステート・ジャパン・エルエルシー
株式会社愛植物設計事務所
株式会社竹中工務店
トヨタルーフガーデン株式会社
日本地工株式会社
TRI-SEVEN ROPPONGI

 本作品は、オフィス建替工事と江戸期から続く神社の建替えを共同で行った開発事業において、敷地裏側のビルの谷間に創出された壁面緑化である。
 計画地は、大規模な商業施設やオフィスの開発が進む高台の「先進的エリア」と、小規模で高密な市街地化が進んだ低地の「昔ながらの六本木」の境目に位置している。ランドスケープ計画では、そのような計画地の立地特性を踏まえ、それぞれの街の様相に見合った外部空間と緑によって、多面的な街をつなぐことをテーマとした。
 そこで、①建築外壁と一体となった巨大な壁面緑化、生垣、並木などで、ビルの谷間に立体的で緑量のある空間を創出する、②日々眺める緑として季節感のある多彩な植物で構成し、周到な準備を行う、③下部の歩道状空地の通行を妨げない管理方法、④経年で更なる充実をしていくための植栽管理の仕組み、など4つを基本方針とした整備を行った。
 竣工直後から、事業者・植栽設計者・管理者による協働巡回を実施し、「植物の状態に合わせた順応的な管理」を行うために取り組んでいることが高く評価された。


第16回 日本経済新聞社賞:屋上緑化部門 (東京都豊島区)
株式会社そごう・西武 西武池袋本店
有限会社アースケイプ
株式会社竹中工務店
株式会社日比谷アメニス
西武池袋本店 食と緑の空中庭園

 本作品は、2015年春、「空のほとりで逢いましょう。」をキャッチフレーズにリニューアルした商業施設の屋上庭園である。以前より営業していた手打ちうどん店、観賞魚店、東洋蘭及びサボテン・多肉植物専門店に加え、「レストラン&バー」と10点の「フードカート」、そして夏季のビアガーデンなど、飲食を中心とする約5,800㎡に及ぶ屋上の商業空間となった。
 多くの方が飲食できるフリースペースと、建物の避難場所としての機能を合わせ持ちながら、「水と緑で四季を感じる庭園」というテーマに基づき、全体の整備を行った。運営主体からの発案により、印象派の画家クロード・モネが愛したノルマンディーの「ジヴェルニーの庭」にインスピレーションを得て、池と睡蓮、バラ、また彩り豊かな自然らしい植栽を施し、お客様をもてなす環境づくりとしている。
 専門スタッフによる体験型イベントの開催、国内外からの視察団体の積極的な受け入れに加えて、アメニティ(快適性)を高めるためのさまざまな演出が評価された。


第16回 日本経済新聞社賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都中央区)
東急不動産株式会社
株式会社日建設計
清水建設株式会社
株式会社石勝エクステリア
東急プラザ銀座 KIRIKO TERRACE / GREEN SIDE

 本作品は、銀座の数寄屋橋交差点に面した敷地に建つ延面積約50,000㎡の商業施設の屋上部に設置した壁面緑化である。施設は、「光の器」というコンセプトのもと、日本の伝統工芸である「江戸切子」をモチーフにしたガラスの器としてデザインされている。
 本作品は、水をテーマとしたWATER SIDEとは対照的に、植物という自然物を使用して、来訪者が快適に利用できる空間をつくることを目的に計画され、その主要な構成要素として、屋上空間を取り囲むように配置するとともに、個々の植物が有する色彩や季節の変化といった特徴を活かしたデザインを心掛けている。また、既存の調査結果等も踏まえ、生物多様性の側面も踏まえた植栽選定を行った。
 本商業施設の整備にあたっては、隣接する数寄屋橋公園の整備も同時に行い、事業全体として、往来の多い銀座のまちの中に、様々な来訪者が利用できるパブリックスペースの積極的な創出を図った。
 施設開業1年間に、このみどりがつくる景観を活かしたコンサート等のイベント開催など、来訪者たちに憩いと安らぎを提供している点が評価された。


第16回 都市緑化機構会長賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都渋谷区)
関電不動産開発株式会社 東京支社
株式会社日建設計
株式会社プランタゴ
かたばみ興業株式会社
株式会社ゴバイミドリ
赤坂センタービルディング・みどりの基壇

 本作品は、地域の歴史や文化を象徴する緑豊かな地域に隣接して立地する、オフィス・共同住宅による新設の複合ビルの壁面緑化である。この立地条件を最大限生かし、機能性・安全性・効率性の確保はもとより、競合する事務所の中でも、独自性のある付加価値を合わせ持つオフィス・住宅として構成されている。
 「周辺環境との調和と積極的利用」、「独自性のあるワークプレイスの実現」、「環境配慮型の建物性能の確保」を基本テーマに据え、それに沿って視覚的にもわかりやすい形で、外観デザインにみどりを積極的に取り込む手法を検討した。
 人は坂道を上るにつれてみどりの基壇を目にしながら建物に近づいていく。高層階の住宅への入り口は左右に立体的な緑の基壇の上に植えられた木立の間をくぐって玄関に入る。また、建物裏手、敷地最低部にまわると巨大なみどりの基壇部の上に建物を仰ぎ見ることになる。石垣とは違う柔らかな生き生きとしたみどりの基壇に親しみを覚え、ほのかに香るテイカカズラの芳香に癒されながら散策を楽しめる都市環境を生み出した。
 事前養生植栽パネル(そくめんみどり)と現場施工のパネルを組み合わせ、施工準備を分離し、合理化を考案するとともに、基壇上面部に十分な植栽基盤土壌厚を入れて、高木植栽を可能にする緑化ブロックの強度を確保するなど、早期緑化を可能にする緑化技術が評価された。


第16回 都市緑化機構会長賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都渋谷区)
古谷デザイン建築設計事務所,
株式会社エイムクリエイツ,株式会社枻出版社,
鹿島建設株式会社,
株式会社クレアテラネットワーク,
有限会社大綱ガーデン,
株式会社ランドスケープハウス,株式会社FABRO
渋谷MODI(エントランス部ファサード環境デザイン)

 本作品は、既存建物を活かし、限られた敷地要件の中で商業建築としてシンボル性、街角に相応しい社会貢献性を念頭に入れた緑のファサードである。既存解体は最小限にとどめ、街を行き交う人々が何気なく立ち寄れる、空調に頼らないクールスポットを作り出している。
 比較的日照の安定している東面はフレッシュなイメージが伝わるハーブ系の植物や果樹を中心に、正面となる南側には神宮の森でもよく見ることのできる植生を中心に植え込み、日射の厳しい西面には乾燥に強いオーストラリア系の樹木を中心に植え込みを行っている。これらの植物は、毎月の適切なメンテナンスにより、虫害や成長障害から早期に予防され、現在に至って健全な状態が保たれている。
 徒歩交通量が著しく高い街角にあって入店を即す緑のトンネルという要素と通行人の目に触れる広告物とのコラボレーションをテーマに、軒下部分の緑化はフェイクグリーンとも織り交ぜ、時間の経過により本物の植物がフェイクグリーンを凌駕する計画となっている。
 商業開発者が望む初期緑化と、多種多様な人種やカルチャーが交錯する渋谷の街並みに相応しい、国際色豊かなグリーンデザインを実現していることが評価された。


第16回 都市緑化機構会長賞:特定テーマ部門 (千葉県船橋市)
相坂研介設計アトリエ あまねの杜保育園

 本作品は、船橋市郊外に建つ、自然とともに子どもがのびのび過ごせ、保護者や保育士も安心できる立体回遊型園舎である。
 園児たちが周遊することのできるデッキの屋上空間に、菜園を設け、「見る」だけでなく「耕す」というアクティビティを生み、一年を通して屋上が活用される環境づくりに配慮している。菜園では、ナス、インゲン、ジャガイモなど、さまざまな野菜を育て、収穫することを通して、食への感謝や自然への関心をさりげなく学ばせている。屋上菜園で育て採れた野菜をガラス張りの調理室で調理し、給食として出すことで、保育と一体化した食育を進めている。園児たちが慈しみながら育てているプランターのツタで外壁を覆い、外周からの景観向上だけではなく、壁面の断熱効果にも寄与している。
 池や砂場のある中庭は高麗芝敷きで、万が一傷んだ場合でも、自生し、耐陰性のあるシロツメクサを保育士と園児たちの手で植え替えることにより、楽しく学びながら維持されている。
 園児たちが、屋上菜園で野菜を育て、収穫・給食すること、坪庭や中庭の芝を植え替えることなど、日常的に自然に触れ、自然への感謝や育てる喜びを育んでいる点が評価された。


第16回 都市緑化機構会長賞:特定テーマ部門 (東京都渋谷区)
エコ&ヒーリングランドスケープコンサル
株式会社エービーシー商会
有限会社テクノス企画
日本赤十字社医療センター
病院の屋上庭園の小さなリニューアル

 本作品は、病院からの要望で、築4年の総合病院の緩和ケア病棟の6階屋上庭園に日除けを設置し、四季折々に花や香りが楽しめるヒーリングガーデンにリニューアルした作品である。
 既存屋上を考慮して、アンカー固定が不要となるように、重さは片側約420㎏/個(約260㎏/㎡)の緑化コンテナとベンチ一体型のコンテナを重しとし、柱をコンテナに固定した構造の日除けで、ベンチの下は収納BOXとして利用可能である。耐候性のある布を使用した軽量なルーバーはワイヤで固定した。
 四季折々に花や香りを楽しめるよう、花カレンダーを作成し、花木や香り木、紅葉樹、果樹、グランドカバーに使用されている強健な多年生草本類、花期の長い草花、乾燥に強いハーブやハーブティーが飲めるハーブを主体とした。維持管理はボランティアが行い、コンテナ部分は手撒き、植込み部分は既存の自動潅水を利用している。除草、剪定、枯れ枝・枯草除去は月1回程度適宜行い、農薬を散布しない、ナチュラル・エコガーデンを目指している。
 既存の屋上に軽量な日除けを設置することで、屋上の暑熱環境を改善するだけではなく、ヒーリングガーデンとして五感を刺激する植物を植え、屋上を利用する人々の健康、コミュニティ形成を考慮した点が評価された。