第36回 緑の都市賞

第36回 都市緑化機構会長賞:緑の事業活動部門 (宮城県仙台市)
曹洞宗 金剛寶山 輪王寺
エスペックミック株式会社
輪王寺の森づくり
曹洞宗 金剛寶山 輪王寺
エスペックミック株式会社 輪王寺の森づくり01
曹洞宗 金剛寶山 輪王寺
エスペックミック株式会社 輪王寺の森づくり02
曹洞宗 金剛寶山 輪王寺
エスペックミック株式会社 輪王寺の森づくり03
生命力あふれる森づくりを地域とともに

かつて樹高20mを超える杉並木であった参道が、敷地の下を通り抜ける県道トンネル工事のため殆どが伐採された。そこで、生命力あふれる森づくりをコンセプトに参道の復旧に取組んでおり、その経験を震災復興の森づくりに生かし取組んでいる。

輪王寺は、仙台市の中心部から北に2.5kmのところに位置する伊達家ゆかりの古刹である。その参道には、かつては樹高20mを超える杉並木が存在していたが、平成17年からの参道地下を通過するトンネル工事施工に伴い、そのほとんどが伐採された。
この地の緑再生にあたり、輪王寺は「生命力あふれる森づくり」というコンセプトを掲げ、将来を担う地域の子ども達に多様な生き物が複雑に絡み合いながら循環していく森を残すこと、そして、生物社会は競争しながらも共生していることを感じ取ってもらえるような空間を目指し、この地に合った多様な樹種による森づくりに取り組んできた。
地域住民参加による植樹の開始からは12年が経過し、良好な樹林が形成されてきており、森の中の散策路からは、メジロやヒヨドリ、シジュウカラ、ウグイスといった様々な野鳥の鳴き声を聞くことができる。参道を歩く人からはトンネルの存在をほとんど感じることがないような静かな空間となるとともに、地域のお祭りなどの交流の場となっている。
さらに東日本大震災の復興にあたっては、輪王寺の森づくりで培った技術や経験をもとに、震災直後から東北各地で森の防潮堤づくりを実践し、輪王寺が手掛けてきた岩沼市「千年希望の丘」は、今や東北被災地最大級の復興プロジェクトになっている。
このように、地域参加による森の再生への取り組みとその成果、震災復興への取り組みなどが評価されたものである。