第33回 緑の都市賞
第33回 奨励賞:緑の市民協働部門 (東京都港区) | |
港区立青山小学校 | 港区立青山小学校「青山里山プロジェクト」 |
都心の屋上で 港区立青山小学校は都心にありながら、周囲3km圏内に青山墓地、神宮外苑、赤坂御所など緑豊かな環境に恵まれている。学校では春にはツバメが巣をつくり、夏にはシオカラトンボやオニヤンマが飛び交い、ミツバチなどが屋上で受粉しているなど、都会でも自然と人がうまく共生できそうな環境に立地している。こうした環境を活かし、自然との共生のモデルである里山を青山に再現しようとする試みである。子供たちがつくる 伝統野菜と屋上里山 この取組は「青山里山プロジェクト」と命名され、学校屋上の300㎡を対象に、菜園としての生産場、屋上緑化としての環境推進の場、収穫体験や作業体験を通した外部との交流、江戸伝統野菜を子供たちと育て、食材として広める研究と価値の発信、子供の体験学習の場となることを目的にしている。 屋上菜園は、当初はプランターを活用した取組みであったが、より本格的な体験農園とするために、屋上に約50cmの厚さで覆土して菜園化し、屋上外周フェンスにはキュウリ、メロンなどのツル植物で緑化して緑陰創出の役割も持たせている。野菜栽培は有機栽培を基本に、季節にあわせた野菜を栽培、収穫は子供が収穫しその場で食するほか、門前市を開き販売も行っている。本年度は江戸伝統野菜の復活を目指す栽培に取り組み、近隣レストランに無償で提供し、好評を得ている。こうした取り組みを通して屋上里山の発信力を高め、食文化についての再発見と文化の醸成に努め、情報交流とネットワークづくりを進めている。 |