第32回 緑の都市賞

第32回 内閣総理大臣賞:緑の都市づくり部門 (千葉県柏市)
千葉県柏市 千葉県柏市
千葉県柏市 千葉県柏市01
まもり、
つくり、育てる
緑のまちづくり

柏市は都心から約30km 圏の千葉県北西部に位置する中核市である。平成8 年に策定した「柏市緑の基本計画」に基づき、「緑を守り、つくり、育てる」を目標に、これまで市民との協働のもと各種施策を展開してきた。

中でも自然的・歴史的価値を持つこんぶくろ池周辺緑地では「市民で育てる100 年の森」をコンセプトに、有識者のアドバイスのもと公民学多様な主体と連携し整備を進めている。整備前は不法投棄が多い薄暗い森であったが、現在は絶滅危惧種を含む植物が多数再生し、平成22 年には「関東・水と緑のネットワーク拠点100 選」に選出された。市民団体主導のもと観察路やマップ等の整備や自然観察会等が行われるなど、都市の中で気軽に自然を楽しみ、交流することのできる貴重な場となっている。

また、「カシニワ制度」は市民団体等による樹林地・空地の準公園的な利用等を意図して、市民団体等に土地を貸し出す仕組みとオープンガーデン等を組み合わせた制度である。登録は現在98 件で、「カシニワ=(かしわの庭、地域の庭)」を舞台に里山管理、園芸活動、山野草の再生、朝市、お祭り等多様な取り組みが展開している。本制度は今年、土地活用モデル大賞・都市みらい推進機構理事長賞を受賞した。この他、旧吉田家住宅歴史公園の市民ガイド、公園里親制度、里山管理の担い手育成等、市民との協働を軸とした緑の施策を進めている。公民学の力を合わせた緑豊かなまちづくりの一層の発展が期待される。