第30回 緑の都市賞

第30回 奨励賞:緑の拠点づくり部門 (北海道札幌市)
サッポロビール株式会社 サッポロガーデンパーク
サッポロビール株式会社 サッポロガーデンパーク01
地域に開かれた 緑豊かな オープンスペースづくり

サッポロガーデンパークは札幌市東区苗穂に位置する面積約4.3haの再開発地区で、観光客になじみの深いサッポロビール園などを有する施設です。園内に建つサッポロビール博物館は、1890年(明治23年)に建設されたもので、北海道遺産に選定されており、地域に愛され続けている札幌の重要な観光資源となっています。サッポロビール株式会社は、潤いを創造し豊かさに貢献するという企業理念のもと、訪れるお客様や地域の方に潤いとやすらぎを感じてもらうことを目的に、地域に開かれた緑豊かなオープンスペースづくりに取り組んでいます。豊かな自然の恵みを次世代に引き継いでいくため、従来下水道に流されていた通路の雨水を花壇に集めて地中に還元する雨水浸透型花壇づくりによる水環境の改善に努めているほか、地域の子どもたちと麦やホップの畑をつくることで北海道の農風景を街なかに再現するとともに環境教育活動にも取り組んでいます。また、地域の方々が気軽に集うことができる公園的な役割を担っており、町内会や市民団体のイベントにも数多く活用され、街のにぎわいづくりにも貢献しています。

【評価コメント】

緑豊かな広大な面積のオープンスペースを地域に提供していることで、環境や社会に貢献する企業としての姿勢がよくうかがえる。施設全体が、北海道の歴史的遺産ということで、建物と植栽の色彩バランスを考慮した剪定の工夫や、来場者に取組みの趣旨や植物への理解を促す案内表示の設置がされているということで、地域のシンボル的な存在として良好な景観を形成するとともに、歴史的・環境的な教育効果も期待される。また、庭園における植栽のデザイン等においては、地域の花や緑に携わる市民ボランティアとの協働の活動もみられ、地域社会と一体となった取組みが高く評価された。