第30回 緑の都市賞

第30回 都市緑化機構会長賞:緑の地域づくり部門 (千葉県千葉市)
おゆみ野の森を育てる会/千葉市/株式会社新都市ライフ/独立行政法人都市再生機構千葉地域支社 千葉県千葉市緑区おゆみ野地区「おゆみ野の森」
おゆみ野の森を育てる会/千葉市/株式会社新都市ライフ/独立行政法人都市再生機構千葉地域支社 千葉県千葉市緑区おゆみ野地区「おゆみ野の森」01
熟成段階にある街の 街山づくりとまちそだて

千葉県千葉市緑区に位置するおゆみ野地区は、都市基盤整備が完了し、現在は熟成段階にある街です。それに伴い様々な課題が発生していく中で、地域を暮らしやすくするために自ら活動を行う市民活動が芽生えてきました。それを踏まえ、ソフトな都市基盤の仕組みづくり「まちそだて事業」がスタートしました。まちそだて事業は、市民活動助成事業、暫定施設の空き室活用事業、そして今回取り上げる街山づくりモデル事業からなります。おゆみ野地区内の学園前駅に隣接する「おゆみ野の森」は、土地所有者である都市再生機構が千葉市の「街山づくりプログラム」を適用して土地を千葉市に提供し、千葉市によって市民緑地に指定された緑地です。日常的な管理は千葉市から市民団体「おゆみ野の森を育てる会」に委ねられており、管理の他、敷地内に包蔵する遺跡や樹林を用いた遊びや体験型プログラムが市民の手で行われ、地域住民の交流の場となっています。「おゆみ野の森を育てる会」は、緑地の維持管理とイベント等の管理運営を独自に行う市民団体として、街の熟成の象徴として活動が行われています。

【評価コメント】

都市再生機構が戸建て住宅地として開発予定であった当該地を森として保全していくこととし、千葉市に寄付し、「市民緑地」として市民主体による管理運営がなされることとなり、その取組みが軌道に乗りかけている段階にある。おゆみ野地区は開発がひと段落し、成熟期にある住宅街であり、「みどり」は環境資源という側面だけでなく、ボランティア活動を中心とした市民の参画型成熟社会の受け皿として多いに期待され、その機能を発揮している。これまで㈱新都市ライフが事務局機能を担ってきたが、今後「おゆみ野の森を育てる会」が自立し、住民の主体性を発揮し、みどり豊かな魅力あるまちづくりにむけて勢いある活動へと発展することを期待する。