第30回 緑の都市賞

第30回 都市緑化機構会長賞:緑の拠点づくり部門 (東京都武蔵村山市)
野山北・六道山公園ボランティア 都立野山北・六道山公園
野山北・六道山公園ボランティア 都立野山北・六道山公園01
里山の風景を未来の 世代に伝えたい

都立野山北・六道山公園は、東京都と埼玉県の都県境にある緑の島、狭山丘陵に位置する都立公園です(現開園面積178.2ha)。園内には雑木林や田畑、湿地など里山の風景が残されています。野山北・六道山公園ボランティアは「風景と自然の保全」と「伝統文化の継承」を大きな2本柱とし、『この美しい里山の風景を未来の世代へ伝えたい』という想いで活発に活動しています。「風景と自然の保全」では、林や田畑の手入れ、外来種の除去を通して、景観や山野草の復元に取組んでいます。調査、目標設定、計画づくりの体系的な保全管理手法により、キンランやタカアザミなど希少植物が回復しています。「伝統文化の継承」では、小麦を栽培して作る伝統食「かてうどん」をはじめ、「まゆ玉」等の伝統行事、竹や藁を使う農芸を行い、学習会も開催しています。会員数、活動面積、活動内容も年々拡充しており、平成21年度は学校・地域団体も合わせ、のべ6,600名以上の参加がありました。今では、生きものも人も賑わう笑顔の絶えない公園となり、ボランティア活動が地域の活性化にもつながっています。

【評価コメント】

かつて産廃置場だったということが嘘のように、里山が健全に復活されている。管理者である東京都とボランティア事務局との連携、管理マニュアルの整備、活動計画、広報活動といった、現代の里山をささえるシステムが構築されていることで、全国的にも優れたモデルケースと言える。日常の安全管理に対するボランティアの意識が非常に高く、講習会や勉強会が年間を通じて頻繁に開催されている。魅力的なイラスト入りのポスターや冊子、チラシは、活動参加へのきっかけづくりのツールとして有効に機能している。人間と自然の関係を見直し、楽しく自然を理解する拠点がつくりつづけられていることが、すばらしい活動と評価された。