第30回 緑の都市賞

第30回 国土交通大臣賞:緑の都市づくり部門 (千葉県松戸市)
千葉県松戸市 千葉県松戸市
千葉県松戸市 千葉県松戸市01
市民が主役 「みどりの市民力」 によるまちづくり

松戸市は、都心に近接し交通利便性の高い人口約48万人の生活都市で、江戸川沿いの低地から下総台地へと起伏に富み、斜面樹林や河川が多い地形となっています。まちづくりの基本方針「住んでよいまち・訪ねてよいまち」を実現するため、水・みどり・歴史資源を大切にする都市づくりを展開しています。平成15年からは、市民との協働による「里やまボランティア入門講座」を実施し、残された貴重な民有樹林地保全の新たな担い手づくりに取組んでいます。「里やま応援団」として多くの市民団体が活躍しており、手入れのされた樹林地の一部は、所有者の協力のもと、観察会や森の音楽会等のイベント開催時に公開され、地域の宝物として貴重な存在になりつつあります。また、花いっぱい運動を推進している各団体間の情報共有と連携を目的とした「花壇づくりネットワーク」や、都市公園での市民協働による運営・維持管理が地域活動にまで広がりをみせている「根木内歴史公園サポーター根っ子の会」が活躍しており、市民が主役の「みどりの市民力」によるまちづくりが着実に浸透しています。

【評価コメント】

急傾斜地に残存する斜面林並びに低地に広がる農地を巧みに活かした緑の都市づくりを推進し、生活都市としての魅力の増進に大きく寄与している。緑の条例では市民自ら緑の保全に努めることが明記され、公募による市民委員を含む「緑推進委員会」では政策の審議のみならず、実行プランの作成等も行っている。ボランティア団体等では、樹林地を舞台とする「松戸里やま応援団」、公園を舞台とする「根木内歴史公園ボランティア活動」等、多数結成され、市当局との見事な協奏を演じている。民有樹林地の保全では相続税軽減措置等も講じられている。緑の保全整備並びに享受のための諸施策において、今後とも、大都市近郊の住宅都市に相応しい、先進的情報を発信し続けていくことが期待される。