第29回 緑の都市賞

第29回 都市緑化機構会長賞:緑の拠点づくり部門 (東京都立川市及び昭島市)
国営昭和記念公園こもれびの丘ボランティア 国営昭和記念公園
国営昭和記念公園こもれびの丘ボランティア 国営昭和記念公園01
国営昭和記念公園こもれびの丘ボランティア 国営昭和記念公園02
国営昭和記念公園こもれびの丘ボランティア 国営昭和記念公園03
公園管理者と 市民協働による 武蔵野の森の復元

「こもれびの丘」は、工事用残土で造成された小高い丘を武蔵野の雑木林に復元することによって実現したゾーンです。樹林だけでなく林床の植物や小動物が生息する環境を復活させ、人々が自然と触れ合う場を造ることを目的としています。こもれびの丘ボランティアは、武蔵野の雑木林の景観再生を目指し、雑木林全体の林床に多摩、武蔵野の野草に限定した野草苗の保護育成や増殖、さらに、雑木林に繁茂する葛蔓の除去や枝打ち、間伐などの管理作業をおこなっています。除草や堆肥(腐葉土)づくり、さらには散策路の整備を行い、また、雑木林から採れる林産物を有効に活用するため、隣接する公園施設の工作教室で使用する材料の供給や、公園内の他のボランティア団体への活動資材の提供をするなど公園資源の有効活用や管理運営の効率化にも貢献しています。こもれびの丘はボランティアの積極的な活動により、希少な植物や多様な昆虫類が生育する雑木林として再生されただけでなく、公園利用者の憩いの場として利用されています。

【評価コメント】


「武蔵野の景観を蘇生させる緑の育成」という明快なコンセプトのもとに、公園管理者との密度の高い協働をしながら、実験的手法も交えた生育試験等も取り入れ、科学的・合理的な管理を行っている。長年にわたる市民協働活動により、建設残土、がれきで造成した丘に、生物相豊かな武蔵野の雑木林を復元させた先進的事例として評価された。