第20回 屋上・壁面緑化技術コンクール
第20回 日本経済新聞社賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都江東区) | |
住友不動産株式会社 前田建設工業株式会社 有限会社テラダデザイン一級建築士事務所 株式会社マインドスケープ 灯デザイン 大和リース株式会社 |
住友不動産ショッピングシティ 有明ガーデン |
本作品は、緑豊かな広場が少ない湾岸地域において、周辺施設・地域間をつなぐ新しい生活拠点を提案する複合商業施設の緑化である。四季を感じられる地上広場や緑豊かな多層テラスのほか、多樹種のプランターを積層した「グリーンカーテン」、植栽の積層プランターと光の積層幕で環状に構成した「グリーンリング」など、施設のどこに居ても自然を感じられ、来客者に寛ぎの場を提供するとともに、周辺環境に配慮しながらも印象に残る建築となっている。 |
■緑化技術の概要
住友不動産ショッピングシティ 有明ガーデンにおける技術的な諸元は以下のとおりである。作品面積 | 約800㎡ | 設計上の荷重条件 実際の荷重 |
プランター+植栽 110㎏/m 植栽 86.4kg/m 上記記載の通り |
階数 | ─ |
---|---|---|---|---|---|
土壌厚 | 200~300㎜ | 土壌の種類と 名称 |
人工軽量土 | 土壌の湿 潤時比重 |
土壌比率 0.8程度 |
植栽数量 | 計10,380P |
||||
潅水方法 | 自動潅水設備 |
1.建築とプランターの一体化を実現したディティールと使用したプランターの形状・配列・管理の工夫
(A)曲線美の演出とすっきりとしたデザインを実現する樋設計
建築のR形状を合理的に実現する為、植物が植わる規格プランターは直線状に配列し、化粧幕板のみ局面加工を施した。また、排水樋は目立たぬよう、底板内に収めるよう工夫を施した。
(B)建物内外からの視覚効果
プランター底面を斜めにすることで、建物内部から見える青空の範囲が増やし、採光と開放感を向上させた。一方、建物外部からは、歩道から見上げた際、底面仕上の反射効果により緑色が映り込み、より多くの緑量を感じさせる視覚効果を演出した。
(C)プランターの深さと配列
プランターの深さは、植物の根の深さに応じて2種類用意し、プランターの高さ方向の間隔は植物の背丈に応じた配列とし、植物の生長を妨げない工夫とした。
また、各フロア目線高さ近辺は、身体感覚に近い小ぶりなものとする配列ルールとし、
圧迫感を感じさせない配慮とした。
(D)モックアップによる環境に適した植栽計画
事前にモックアップによる生育実験を実施し、敷地特性、臨海部に沿った樹種選定を行い、メンテナンス頻度を抑制する植栽計画とした。