第17回 屋上・壁面緑化技術コンクール

第17回 都市緑化機構会長賞:壁面・特殊緑化部門 (神奈川県横浜市)
野村不動産株式会社
清水建設株式会社
株式会社フィールドフォー・デザインオフィス
株式会社コミヤマ環境
みのる産業株式会社
横浜野村ビル「グリーンラジエーター®」
野村不動産株式会社 清水建設株式会社 株式会社フィールドフォー・デザインオフィス 株式会社コミヤマ環境 みのる産業株式会社 横浜野村ビル「グリーンラジエーター®」01
野村不動産株式会社 清水建設株式会社 株式会社フィールドフォー・デザインオフィス 株式会社コミヤマ環境 みのる産業株式会社 横浜野村ビル「グリーンラジエーター®」02
野村不動産株式会社 清水建設株式会社 株式会社フィールドフォー・デザインオフィス 株式会社コミヤマ環境 みのる産業株式会社 横浜野村ビル「グリーンラジエーター®」03

 本作品は、外壁面前面に隔離距離を設け、両面に緑化面を形成する縦型緑化ルーバーを外壁面と垂直に自立させたシステムである。酷暑環境に寄与する環境緑化システムとして、建物の開口面や窓面への設置も可能である。室内からは、緑のルーバーの合間から屋外視認性も確認でき、外部からは視覚的ブラインド効果も可能な汎用性のあるシステムである。
 緑化面を通過する空気が緑化基盤からの蒸発散効果を受けることにより、都市部にクールスポットを創出するだけではなく、夏期の直射光を受けにくい形状であるため、通常、外壁面に設置した壁面緑化で発生する植物の葉焼けや枯れの不具合を抑制を可能にしている。
 導入する植物は、在来種(キヅタ、テイカカズラ、リュウノヒゲ等)を主体に、湿潤で岩場や大木等に着生する常緑シダ植物(ノキシノブ、イワオモダカ等)、山野草(イワタバコ)、着生ラン(セッコク)などを植栽することで、都市の中で希少な地域在来種を保全し、自然が持つ清涼感や季節の移ろいを感じ取れる、人と自然が共生するデザインとなっている。
 クールスポット創出と在来種活用による生物多様性創出の両立を可能にし、既存ビルでも採用可能な緑化システムであることが、技術的に高く評価された。