第17回 屋上・壁面緑化技術コンクール
第17回 環境大臣賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都中央区) | |
三井不動産株式会社 株式会社日本設計 ランドスケープデザイン塾 清水建設株式会社 イビデングリーンテック株式会社 |
福徳神社・福徳の森 |
本作品は、日本橋の地の歴史と賑わいを再興し、継承していくことを目指して、都市再生特区(福徳神社)と特定街区(福徳の森)という異なる都市開発手法を用いながらも連携し、エリアの都市構成を再編したプロジェクトである。両街区とも、“残しながら、蘇らせながら、創っていく”という事業者の理念に沿って、地下鉄からの地下ネットワークや駐車場の確保などの地域貢献を行いながら、人工地盤上に地域の精神的な拠り所となる豊かなみどりの空間を実現した。 |
■緑化技術の概要
福徳神社・福徳の森における技術的な諸元は以下のとおりである。作品面積 | 神社:1,528.14㎡ 森 :1,234.54㎡ |
設計上の荷重条件 実際の荷重 |
神社:350㎏/㎡、森:674~3,520kg/㎡ 神社:350㎏/㎡、森:620~3,071kg/㎡ |
階数 | ─ |
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土壌厚 | 神社:300~1,400mm 森 :400~2,100mm |
土壌の種類と 名称 |
多孔質人工軽量土 | 土壌の湿 潤時比重 |
0.86 |
植栽数量 | 神社/高木: 15本、中木: 15本、低木:1,687本、地被:1,318pot 森 /高木:131本、中木: 59本、低木:1,444本、地被:4,558pot |
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潅水方法 | 潅水方法 自動灌水システム(点滴式) |
1.日本橋の歴史を生かした緑のオープンスペースづくり
本作品は、日本橋に古来より根付く歴史と賑わいを再興し、継承するように計画された。都市計画手法や設計主体が異なっている二つの施設に連続的な設えと動線を確保するために、先行する福徳神社の設計期間より合同会議を定期的に開催し、全体ゾーニングや植栽計画の検討を重ね、一体的な緑のオープンスペースを実現した。また、福徳神社とシームレスに繋がる森を目指し、神社の背景をなす緑地の中に「本殿」へ誘う「女坂」となる園路を設え、中央のイベント広場を境内の「神楽殿」と見立て、福徳神社と福徳の森に一体的求心性を形成した。
2.人工地盤上の植栽地
地上部の緑陰豊かな自然美の実現のため、地下では一部プレストレス構造による逆梁架構造を採用し、十分な客土厚と同時に地下商業店舗の広さや天井高さの確保を両立させた。
3.自然を範とした雑木植栽
雑木植栽は、自然の形態を範とし、大小取り混ぜ、幹反りに留意した寄せ植えを行い、地形と呼応する森の自然形態を再現するよう、筑波石の景石を組みながら丁寧に配置した。