第17回 屋上・壁面緑化技術コンクール
第17回 国土交通大臣賞:屋上緑化部門 (東京都中央区) | |
銀座六丁目10地区市街地再開発組合 株式会社谷口建築設計研究所 鹿島建設株式会社 株式会社プレイスメディア |
GINZA SIX |
本作品は、「松坂屋銀座店」跡地を含む街区ならびに隣接街区の2つの街区で構成された約1.4haを一体的に整備した再開発事業である。 |
■緑化技術の概要
GINZA SIXにおける技術的な諸元は以下のとおりである。作品面積 | 約4,000㎡ | 設計上の荷重条件 実際の荷重 |
500㎏/㎡ 約450㎏/㎡ |
階数 | 13階屋上 (屋上緑化のみ) |
---|---|---|---|---|---|
土壌厚 | 約200~1,000㎜ | 土壌の種類と 名称 |
人工軽量土 (東邦レオビバソイル) |
土壌の湿 潤時比重 |
0.8 |
植栽数量 | 高木: 117本 中木: 197本 低木: 20,579株 地被: 約400㎡ | ||||
潅水方法 | 高木・中木・低木:点滴式灌水ホース 芝生:スプリンクラー散水 |
1.銀座の歴史と文化を踏まえた2つのコンセプトの融合
地上13階、高さ約56mの建築物屋上には、屋上庭園「GINZA SIXガーデン(面積約4,000㎡)」があり、屋上庭園の約56%にあたる約2,200㎡が緑地として整備され、世界中から銀座に訪れる人々に憩いや交流の場を提供している。ランドスケープデザインは、「自然に親しむ近世江戸の庭園文化」と「街の賑わいを楽しむ西欧の広場文化」の融合をコンセプトとした。外周約370mには植栽を施し、GINZA SIX周辺の各通りや建物から屋上庭園に対する視認性を高めるとともに、屋上に回遊性を持たせ、部分的な賑わいだけではなく、景観の移り変わりを認識できる連続的な賑わいを創出している。
2.「自然に親しむ近世江戸の庭園文化」と「街の賑わいを楽しむ西欧の広場文化」
「GINZA SIXガーデン」の植栽は、「江戸の庭園文化」をコンセプトに、サクラやカエデ類など四季の移ろいを感じることができる樹種を採用し、江戸の庶民の暮らしで身近に親しまれた庭園や園芸の文化を踏まえた計画になっている。また、「西欧の広場文化」をコンセプトに、イベント等における活用を重視した芝生敷きと水盆の2種の広場空間を庭園中央部に配し、多様なアクティビティの実現を可能にしている。
3.「緑溢れる森林ゾーン」で楽しめる四季の風景
花、新緑、紅葉、樹形のシルエットなど、四季の変化が表出する樹種を用いて植栽を計画することで、一年を通して、様々な風景を楽しむことができる。