第16回 屋上・壁面緑化技術コンクール
第16回 国土交通大臣賞:屋上緑化部門 (東京都新宿区) | |
富久クロス全体管理組合、西富久地区市街 地再開発組合、株式会社久米設計、株式会 社まちづくり研究所、戸田建設株式会社一 級建築士事務所、株式会社LPD、戸田建設・ 五洋建設共同体、イビデングリーンテック 株式会社 |
西富久地区第一種市街地再開発事業 Tomihisa Cross |
本作品は、約2.6haの施行区域内に、超高層分譲住宅、賃貸中心の中層住宅、3階と中層7階に配置された権利者向けのペントハウス住宅、低層部のスーパー、認定子ども園、権利者店舗等により構成された市街地再開発事業である。 |
■緑化技術の概要
西富久地区第一種市街地再開発事業 Tomihisa Crossにおける技術的な諸元は以下のとおりである。作品面積 | 5,448.84㎡ | 設計上の荷重条件 実際の荷重 |
450~630㎏/㎡ 220~580㎏/㎡ |
階数 | 2~7階屋上 |
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土壌厚 | 300~855㎜ | 土壌の種類と 名称 |
多孔質人工軽量土 | 土壌の湿 潤時比重 |
0.86 |
植栽数量 | 高木: 115本 中木: 715本 低木: 3,969株 地被: 1,030.19㎡ | ||||
潅水方法 | 自動潅水システム(点滴式) |
1.高木の沈み込み防止策
人工地盤上の高木の転倒防止として、人の行動の妨げにならないよう、地下式支柱を採用した。スラブにアンカーを打ち、アイボルトで支柱と連結した。根鉢の下部客土は、高さ調節および沈み込み防止のために、十分な締め固めを行い、それが出来ない場合は、EPSブロックを設置した。深植え又は浅植えにならないように、根鉢の余盛りを10㎝程度とした。根鉢とEPSブロックの間に、高さの微調節を行うための軽量客土を5㎝敷き込み、根鉢の下に空隙が出来て、沈み込まないような対策を取っている。
2.立体的な緑地構成
人工地盤上の広場の緑化、2~6階の中層棟、3階・中層7階のペントハウスに植栽地を点在させ、立体的な緑地構成で圧迫感の軽減と再開発前の緑にあふれた丘を継承している。
3.空中の戸建て庭-ペントハウスガーデン
3階と中層7階には、再開発前に戸建に住まわれていた権利者の方々が、元の生活やコミュニティを継続させるため、人工地盤上に、再開発前の景観を踏襲するよう、路地や縁側・小広場を設け、専用庭付きの戸建風住宅を配置し、再開発前の西富久地区の原風景を再現した。