第14回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール
第14回 国土交通大臣賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都千代田区) | |
東日本旅客鉄道株式会社 株式会社日建設計 株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所 鹿島建設株式会社 鉄建建設株式会社 西武造園株式会社 |
東京駅八重洲口開発グランルーフ |
本作品は東京都千代田区、東京駅八重洲口にある南北の2大高層ビルをつなぐ延長230mのペデストリアンデッキと1F 外構部の歩行者空間に施されている。緑化された歩行者空間は計約6,200 ㎡に及ぶ。 |
■緑化技術の概要
東京駅八重洲口開発グランルーフにおける技術的な諸元は以下のとおりである。作品面積 | 1F 外構 4,200 ㎡ 2F デッキ 2,000 ㎡ |
設計上の荷重条件 実際の荷重 |
70kg/㎡ 50kg/㎡ |
階数 | |
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土壌厚 | 50mm | 土壌の種類と 名称 |
固化培土エクセルソイル | 土壌の湿 潤時比重 |
0.8 |
植栽数量 | 地被:458 ㎡(壁面緑化) | ||||
潅水方法 | 点滴式自動潅水(液肥混入機併用) |
1.新たなランドマークとしての多彩な壁面緑化
「彩りのデッキ」と称した、全長約230m×幅最大9m、地上7.5m高さに位置する開放的なペデストリアンデッキに、高さ3.4mの彩りあふれた壁面緑化を創出し、「光」と「風」と「緑」を感じることのできる新たなランドマークを出現させた。
30種ものカラーリーフにより歩行者を楽しませる彩を創出、84°の傾斜を施し開放感が感じられるよう工夫されている。
2.植物選定・緑化工法の試験検証と徹底した品質管理
植物選定や緑化工法について、設置工作物の形状や日照条件等を踏まえた試験を1年以上に渡り実施し、徹底した検証を行い、製作、施工に至るまでの品質管 理に活かしている。植物選定試験では、葉や花の色・形状・成長の度合いとメンテナンス性を踏まえた組合せ等を全て検証、評価を行った他、工法試験では、傾 斜や曲面への設置方法、灌水の行渡り、施工方法検証などを行い、改良を重ねている。
3.効率的な維持管理を行う為の付帯設備と体制
旅客利用者が多い公共空間において、大規模、広範な緑化壁面を効率的に管理するため、以下のような管理の工夫を行っている。
・傾斜や球面形状に追従する各箇所専用の特注管理用ハシゴ製作と構造物への受金物設置
・駅の清掃スタッフ同様、常に即時対応可能な巡回スタッフによる管理の実施
・試験検証の結果に基づき、宿根草の実用も可能にする植物別詳細管理マニュアルを整備