本作品は東京都目黒区にある、首都高大橋ジャンクションの屋上、地上高さ7~35mに創出された面積約7000 ㎡のループ状の庭園で、荷重は1200kg/㎡である。 特徴的緑化技術として、①植栽配置計画~みどり豊かな潤いある屋上庭園~、②ジャンクション屋上に対応した植栽基盤、③回遊式和風庭園としての修景施設の3点をあげている。 ゾーン毎に四季を通じて“彩り”を楽しむことができる植栽材料を採用し、年間を通じてそれぞれに“見所”を演出している。また、“香り”を楽しめる植物を積極的に採用し、回遊しながら植物の放つ香りが楽しめるよう工夫が凝らされている。仕立物のマツなど、木々の造形の変化が楽しめることも、本作品の特徴である。 防根機能も期待できるポリウレタン吹付塗膜保護防水を採用し、さらに防根シートも敷設することでジャンクションの躯体を保護しながら緑化を実現している。更に、この防水層と防根シートを保護するために、厚さ80 ㎜の保護コンクリートを打設している。 舗装材や大型プランター、スツール等、園内の随所に海鼠(なまこ)色の信楽焼を用いることにより、庭園全体に格調高い印象を創り出している。また、タマリュウと自然石で市松模様を描いた壺庭をつくるなどし、新しい、回遊式和風庭園としての景色を整えている。 高密度な都市空間において、7000 ㎡の緑地空間を創出したこと。更に、急勾配の傾斜面の続く土木構造物上に創出された緑地は他に例がなく、緑の乏しい都市空間に緑地を創出する新たな手法として高く評価された。 |