第11回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール

第11回 都市緑化機構理事長賞:壁面・特殊緑化部門 (東京都中央区)
中央区
イビデングリーンテック株式会社
日本橋川護岸(日本橋左岸下流)緑化
中央区 イビデングリーンテック株式会社 日本橋川護岸(日本橋左岸下流)緑化01 施工後
施工後
中央区 イビデングリーンテック株式会社 日本橋川護岸(日本橋左岸下流)緑化02 施工前
施工前
中央区 イビデングリーンテック株式会社 日本橋川護岸(日本橋左岸下流)緑化03

日本橋川護岸(日本橋左岸下流)緑化は東京都中央区の日本橋下流左岸部分64mの護岸128㎡の緑化を行ったものである。
東京都では「10年後の東京」において具体的数値目標を掲げて水辺緑化を推進しており、これを受けて中央区では産官学が連携して日本橋川の護岸緑化を進めている。
日本橋左岸下流護岸に緑化基盤が設置可能な護岸境界の敷地幅は80cmと狭く、護岸に負荷をかけず緑量ある護岸景観を早期に形成するため、アンカーを打設することなく卍型の吊鉄筋を用いて低木、地被、つる植物用のメッシュプランターを護岸天板レベルに設置している。また、このプランター重量は特殊な接合部品により連結させた縦横の単管パイプにより護岸に負荷をかけずに支持している。
低木、地被、つる植物用の連結メッシュプランターは根の伸長を妨げないように内部が連続する構造になっているほか、下垂するつる植物の誘引のため川側の擁壁下40cm に金網付ヤシマットを敷設している。護岸をつる植物で覆うだけでなく、日本橋という立地を考慮して高木、低木は日本の代表的な種類から花や紅葉など四季の色合いを考慮して選定、つる植物はヘデラ類のみでも12 品種を採用するなど多様な種を用いることに配慮した。6箇所に設置された高木プランターとの組合せにより、自然で多様な景観を形成している。
護岸擁壁に負荷をかけることなく安全で確実な緑化を実現した高い技術力と、新たな緑化工法を独自に確立し直線的・面的な緑化に留まらない護岸景観を創出した点が評価されるとともに、今後の更なる緑化推進が期待された。