第11回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール

第11回 都市緑化機構会長賞:壁面・特殊緑化部門 (神奈川県横浜市、川崎市)
東急建設株式会社
東急グリーンシステム株式会社
ダイトウテクノグリーン株式会社
東急東横線元住吉駅~日吉駅間壁面緑化
東急建設株式会社 東急グリーンシステム株式会社 ダイトウテクノグリーン株式会社 東急東横線元住吉駅~日吉駅間壁面緑化01
東急建設株式会社 東急グリーンシステム株式会社 ダイトウテクノグリーン株式会社 東急東横線元住吉駅~日吉駅間壁面緑化02 施工前
施工前
東急建設株式会社 東急グリーンシステム株式会社 ダイトウテクノグリーン株式会社 東急東横線元住吉駅~日吉駅間壁面緑化03 施工後
施工後

東急東横線元住吉駅~日吉駅間壁面緑化は、東急東横線の元住吉駅と日吉駅間の約1.2kmのうち40%以上にあたる総延長510m、面積にして1,453 ㎡のコンクリート擁壁や遮音壁を緑化したものである。
剪定回数が少なく病虫害の少ないヘデラカナリエンシスを採用し、ヤシ繊維マットを補助材に保水性と保肥力の高いつる植物専用土壌を使用することで成長を促進させている。また、擁壁下部に土留壁を設けて植栽基盤の土壌量を増やすとともに、擁壁地際部分を舗装せずに自然地盤と連続させることで植物の根系伸長スペースを確保しているほか、擁壁水抜き孔から染み出る線路に降った雨水を有効活用するなど確実な植栽基盤整備により管理の低減化を図っている。
アンカー打設数量が増えることで擁壁の強度や遮音など構造物が持つ本来機能が損なわれないように、補強盛土擁壁面は壁面上部につる用ネットを吊り下げて設置することでアンカー数を通常工法の1 割に抑え、遮音壁は支柱上部とコンクリート基礎から持ち出したパネル固定用バーにつる用ネットを取り付けることでアンカーを打たずに設置している。
視覚的圧迫や照り返し、落書きなど、住環境悪化に繋がりがちな擁壁や遮音壁に対して、その機能に影響を与えることなく低管理で確実な全面緑化を実現した高い技術力と、都市インフラとなる土木構造物に巨大な「緑の帯」を創出し公的空間の景観向上に寄与した点が評価されるとともに、今後の更なる緑化推進が期待された。