第4回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール

第4回 環境大臣賞:壁面・特殊緑化大賞 (神奈川県横浜市)
施 工:横浜植木 株式会社 横浜港大さん橋国際客船ターミナル 屋上デッキ
施 工:横浜植木 株式会社 横浜港大さん橋国際客船ターミナル 屋上デッキ01

横浜港大さん橋国際客船ターミナルは、1995年横浜市が行なった国際設計コンペの最優秀作品を基に整備された国際客船ターミナルであり、このターミナルの屋上にある送迎デッキは、横浜の地形や街並みを大さん橋に延長するという構想で整備されている。ターミナルが広場や公園になるハイブリッドな空間をめざし、国際都市港「横浜」のファサード拠点として位置づけられている。緑化については、ターミナル屋上に約5,000㎡の広大な面積の芝生地を整備し、周辺地域内における緑被率のアップに大きく貢献している。
試験植栽の実施による環境に適した高麗芝の新品種開発や植栽基盤へ適用された傾斜面安定のための特殊な緑化技術により、海浜地区特有の環境圧、人工地盤上の複雑な地形を克服し、大面積の緑化を達成したことで、地域の環境改善に大きく貢献している点が評価された。

■緑化技術の概要
横浜港大さん橋国際客船ターミナル 屋上デッキにおける技術的な諸元は以下のとおりである。
作品面積 5,000 ㎡ 設計上の荷重条件
実際の荷重
160kg/㎡
階数 2階
土壌厚 200~300 ㎜ 土壌の種類と
名称
人工軽量土壌:ビバソイル 土壌の湿
潤時比重
0.8
植栽数量 高木:0 本、中木:0 本、低木: 0 株、地被:5000 ㎡
潅水方法 ドリップ式自動潅水システム
ここで導入された技術のうち特徴的なものとして以下の点があげられる。
1.傾斜地への緑化技術

ターミナルの建物自体が起伏に富み、許容荷重が160 ㎏/㎡いう条件の中で、人工地盤上に急斜面から緩やかな地形までの芝生地をつくり出している。構造本体に支持されたコンクリート突起によってEPS(発砲樹脂体)嵩上げ材を固定し、また、嵩上げ材上にL型ステンレス材を設置して土壌のずれ防止を行いながら、植栽基盤を15~20cmと荷重を最小限にした傾斜地芝生緑化を実施している。


2.人工軽量土壌及び芝生の選定

人工地盤上の複雑な地形に適合し、海浜地区特有の環境圧を克服するため、人工軽量土壌及び芝生については、施工現場と同じ条件の試験区を設けて試験植栽を1年間行なったうえでの選定を行った。選定された芝生「ウィンターフィールド」は、放射線育種場にて開発された新種の高麗芝で、通常の高麗芝に比べ冬枯れが短く、葉長が短いため刈り込み回数が少なくて済む省管理型の芝生である。


3.給・排水技術

芝生の潅水には、芝生地に埋設するドリップ式のタイマー式自動潅水システムを導入し、給水源には上水のほかに雨水も利用するシステムにしている。排水については、起伏の多い緑地であるため、3次元上で建物の形状を把握し、コンピューターシュミレーションによる配管を行っている。また、強雨時の対策として、流速解消横断渠を設けるなど土壌流出防止を行っている。