第4回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール

第4回 国土交通大臣賞:壁面・特殊緑化大賞 (東京都千代田区)
設計:株式会社 三菱地所設計
施工:大成建設 株式会社
施工・資材・工法開発:東邦レオ 株式会社
二番町ガーデン
設計:株式会社 三菱地所設計 施工:大成建設 株式会社 施工・資材・工法開発:東邦レオ 株式会社 二番町ガーデン01

二番町ガーデンは、「環境共生」を主要テーマとし、ヒートアイランド現象の低減に貢献するといわれる屋上緑化と共に、西日の影響等近隣への熱輻射の問題を解決する策として2階から6階まで連続する壁面を緑化している。この新しい都市景観をつくり出す緑の帯を形成する壁面緑化は、オフィス窓面からバルコニー状に設置されており、緑化面を約900㎜離すことにより、日射の遮蔽を行ないながらオフィス壁面からの西日反射を軽減し、近隣地区への環境負荷軽減を配慮したものになっている。また、この壁面緑化に連続するように7階屋上に計画された屋上庭園は、オープンエアオフィスとして新しい執務空間の機能を持たせており、約1800㎡の屋上スペースに緑化された庭園は、オフィス利用者が自由に出入りできる場となっている。
都心部において、屋上と壁面が一体となった緑化施設を整備する中で、修景的に緑量感のある壁面緑化の施工前生育養生による早期緑化を実現した点、また、建物の西側壁面を重要な緑化箇所として位置づけ、周辺地区の微気象の緩和を配慮した点が評価された。

■緑化技術の概要
二番町ガーデンにおける技術的な諸元は以下のとおりである。
作品面積 2,100 ㎡ 設計上の荷重条件
実際の荷重

50kg/㎡
階数 2~6 階建
土壌厚 200mm 土壌の種類と
名称
壁面緑化用人工土壌 土壌の湿
潤時比重
約0.8
植栽数量 ツル植物:675 ㎡
潅水方法 ドリップ式自動灌水
ここで導入された技術のうち特徴的なものとして以下の点があげられる。
1.ユニット化した壁面緑化システムの開発

建築物窓面の位置関係から緑化が高さ2.0mの範囲内に制限されている中で、つる植物を誘引、巻付けできるステンレスメッシュとプランターを一体化した1000 ㎜×1000 ㎜のユニット型の壁面緑化システムを導入している。ユニット化により施工の効率化を実現したほか、建築物壁面と緑化壁面の間に幅900㎜の通路を設け、管理面における利便性を高めている。植栽基盤には、軽量で通気性、保水性の高い人工軽量土壌を採用している。


2.壁面への早期緑化技術

施工の8ヶ月前に、ユニット化された壁面緑化システムにつる植物(ヘデラ・カナリエンシス)を植え付け、圃場にて養生・栽培したことにより、竣工時の緑被覆率を高め、壁面への早期緑化を実現した。施工前生育養生による緑被率の向上だけなく、垂直面という厳しい環境下での植物の適応性を高めている。


3.自動潅水技術

植物の潅水については、季節、気候、土壌基盤の状態を確認しながら散水設定を修正、変更できる自動散水タイマーを設置したほか、タイマー機器故障などの断水による枯損を防ぐための警報機能を設け、異常の際には警報が発信されるシステムを構築している。また、各緑化ユニットにムラなく潅水を行うため、潅水システムの先端と末端で吐出量を一定にできる圧力調整機能を有する点滴式潅水ホース(ラムホース)を利用している。