第3回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール

第3回 国土交通大臣賞:屋上緑化部門 (埼玉県所沢市)
所有:所沢市
設計:日本技術開発 株式会社
施工:西武建設 株式会社
   西武造園 株式会社
所沢市東部クリーンセンター プラットホーム屋上緑化
所有:所沢市 設計:日本技術開発 株式会社 施工:西武建設 株式会社    西武造園 株式会社 所沢市東部クリーンセンター プラットホーム屋上緑化01
所沢市東部クリーンセンターは、ダイオキシン問題が社会的にクローズアップされる地区にあって、武蔵野の雑木林に囲まれた周辺環境との調和、オオタカの生息環境など自然生態系への配慮、季節感や景観の演出など近隣への配慮を行うなど、環境に配慮した「クリーンセンター」の建築を行うために、大面積で傾斜のある折板屋根に日本の伝統的な屋根緑化である「芝棟」の思想を取り入れた屋上緑化を実施している。
傾斜のある折板屋根は、土壌の流出防止、土壌保水力の向上、土壌飛散に対処するため、土留めや保水溝に工夫を凝らし、植栽土壌には建設廃材の気泡コンクリートを再利用した人工軽量土壌を用いて、環境に配慮した資材を活用している点、また、施設の周囲に土塁を造成し、高木・中木等で緑化し、傾斜角14度の折板屋根の屋上は低木や地被植物などの郷土種を植栽して四季折々の多様な植物により季節感を演出し、地上部から屋根まで緑が連続する緑豊かな環境を形成している点が高く評価された。
また、地域市民に対して、環境や景観に配慮した傾斜折板屋根の屋上緑化等について、シュミレーションにより事前説明を行うなど、市民に身近で親しみの持てる地域に密着した緑化計画手法の導入も試みられている。
■緑化技術の概要
所沢市東部クリーンセンター プラットホーム屋上緑化における技術的な諸元は以下のとおりである。
作品面積 280kg/㎡ 設計上の荷重条件
実際の荷重

階数 4F部、6F部
土壌厚 230 ㎜ 土壌の種類と
名称
完全リサイクル人工土壌「エルデ」 土壌の湿
潤時比重
0.8(湿潤時)
植栽数量 高木:0 本 中木:0 本 低木:11,500 株 地被:16,000 ポット
潅水方法 雨センサー付自動灌水装置
ここで導入された技術のうち特徴的なものとして以下の点があげられる。
1.植栽基盤技術(傾斜角14 度折板屋根緑化)
土壌の流出防止用に、2.5m間隔で、エキスパンドメタルによる土留めを設け、保水対策として保水溝を設けることで傾斜状態で1 ㎡あたり5.5 リットルの水が保水できる植栽基盤を作り出すことに成功した。
また、土壌流出、土壌の飛散、雑草の繁茂を抑制するためのシートを併用することで、屋上緑化の安定性を高めている。
2.環境負荷の軽減に配慮した植栽基盤
人工軽量土壌には、建設廃材の気泡コンクリートを主要素材とした100%リサイクル素材による人工軽量土壌「エルデ」を採用した。
また、①の植栽基盤技術で用いたシートや、植栽基盤の初期の安定性を確保するための固定用ロープも生分解性のものとした。これらは、樹木の根茎が生育し土壌が安定した状態となる数年後には分解する。また、断熱性能の向上が実測により確認できた。
3.郷土種で乾燥に強い植物の選択
屋上緑化部の植栽には、四季折々の季節感を演出する植栽を採用した。そのひとつとして日本の伝統的な屋上緑化手法である芝棟の思想を参考として、根の張りがよく、乾燥に耐える植栽を採用した。
また、周辺環境と調和し、乾燥に強い郷土種の植栽を行った。
●芝棟を参考とした植栽
イチハツ(花:4~5 月)、アマドコロ(花:5~6 月)、シモツケ(花:5~7 月)、ノカンゾウ
(花:6~8 月)、ニシキギ(紅葉:10~11 月)、ヤマブキ(花:4~6 月)
●周辺自然環境と調和した植栽
タニウツギ(花:5~7 月)、ヤマハギ(花:6~8 月)、コムラサキシキブ(実9~11 月)等