緑化技術コンクール(受賞回別)

第22回 屋上・壁面緑化技術コンクール 受賞一覧

※「屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」は、第16回より「屋上・壁面緑化技術コンクール」に、第23回より「緑化技術コンクール」になりました。
※受賞作品および団体は、受賞当時の内容・情報となります。現在の情報とは異なる場合があります。

今回の受賞団体は、以下の通りです。

第22回 国土交通大臣賞:壁面・特殊緑化部門 (大阪府大阪市北区)
阪神電気鉄道株式会社
阪急電鉄株式会社
株式会社竹中工務店
阪神園芸株式会社
株式会社ウイン
大阪梅田ツインタワーズ・サウス

 本作品は、西~北~東面にわたり湾曲した全長240mの百貨店の壁面緑化です。生物多様性に配慮し、四季の移ろいが感じられる自生種と、広域的な生き物調査に基づき多様な生物を呼び込むことのできる樹種を組み合わせ、大小6種類、487基の特殊プランターを設置しています。
 地上から屋上にかけて連続した緑のつながりを展開するため、実証実験によるメンテナンスや安全性の検証、維持管理システムのDX化、人材育成など、今後の商業施設の緑化として、高く評価されました。


第22回 環境大臣賞:屋上緑化部門 (東京都文京区)
学校法人日本医科大学
大成建設株式会社一級建築士事務所
日本医科大学付属病院

 本作品は、本郷台地の北東側の崖線に沿い、東西で約10mの高低差のある大学付属病院の敷地の緑化です。地形を活かして、駐車場、駐輪場を地下化し、広大なオープンスペースを生み出し、緑豊かな憩いの場として再整備しました。
 平面デザイン、高低差と地域性に配慮した植栽等のほか、地域の自然再生や生態系ネットワークの観点からもよく検討されています。また、機能的になりがちな病院に季節感を与え、既存建物の価値向上に貢献した点も高く評価されました。


第22回 日本経済新聞社賞:屋上緑化部門 (群馬県前橋市)
株式会社藤本壮介建築設計事務所 白井屋ホテル

 本作品は、老舗旅館の客室として新築された新館の緑化です。丘状の形態は発泡スチロールを積層して作ることで、建物の断熱性能の向上、空調の効率化を図り、電気使用量の削減の寄与を意図しています。
 建物の断熱性能を高める効果など、建築計画との関係も良く、急勾配の屋上緑化面を建築によってつくったチャレンジがユニークであり、地方都市の中心市街地に新たな風景と文化を作り出した点が高く評価されました。


第22回 日本経済新聞社賞:壁面・特殊緑化部門 (茨城県つくば市)
戸田建設株式会社 戸田建設 筑波技術研究所 グリーンオフィス棟

 本作品は、地域の自然環境・風土に根差した研究施設の建物4面の緑化です。再生木の捕風ルーバーと鋼棒で構成された基盤に、プランターおよび10種類の在来つる植物を組込み、上下方向に植物が生育するようにしています。
 10種類の植物を使用し、育成環境に応じた工夫を施すなど、環境面、生物多様性への配慮だけでなく、季節によって変化する外装という実用的・合理的な考え方が評価されました。


第22回 都市緑化機構会長賞:屋上緑化部門 (北海道札幌市南区)
札幌市立駒岡小学校
札幌市立大学デザイン学部
札幌市立駒岡小学校 屋上緑化施設

 本作品は、「命を育む北の里山」をコンセプトに、周囲の豊かな自然との連携を意識した小学校の屋上緑化です。北海道の山林の林縁部を構成する自生種に加え、学校周囲の森からの種子の飛来、小動物を介した種子の導入を積極的に誘導していました。
 社会の求める緑の機能の変化、多様化などに応じた整備が随時なされ、生徒の目線に合わせた取り組みを積極的に行い、屋上緑化を環境学習のフィールドに活用している点が評価されました。


第22回 都市緑化機構会長賞:特定テーマ部門 (─)
つちみちぺイブ 国立大学法人奈良国立大学機構奈良女子大学
日本興業株式会社

 本製品は、土と消石灰、天然にがりを混ぜてたたき固めた「三和土(たたき)」の技法をセメントブロックの製造技術に応用して開発されました。三和土の優れた吸水性や保水性を持ち、土の持つ、人にやさしい風合いを生かすとともに、従来のインターロッキングブロックと同等の強度と品質も確保しています。
 グリーンインフラとしての機能性、汎用性を有し、使用後は土壌に還元できるという自然環境に配慮した材料であることが評価されました。


第22回 2027年国際園芸博覧会協会特別賞:特定テーマ部門 (─)
株式会社バイオーム BiomeSurvey

 本製品は、環境調査の知識を持たない人による緑地のデータ収集を可能にするスマートフォンアプリです。アプリには、生物種の同定AIや調査手法をガイドする機能が搭載されており、外部の計算システムとAPI連携することで、樹木の炭素貯蔵量や吸収量など即座に定量化することも可能になっています。
 DXを用いて、緑を理解・評価する先進的な取り組みであり、シチズン・サイエンスの発展を視野に入れた技術として評価されました。