第36回 緑の都市賞

第36回 国土交通大臣賞:緑の市民協働部門 (神奈川県川崎市)
生田緑地マネジメント会議
生田緑地運営共同事業体
川崎市建設緑政局緑政部生田緑地整備事務所
川崎市生田緑地における協働のパークマネジメント
生田緑地マネジメント会議
生田緑地運営共同事業体
川崎市建設緑政局緑政部生田緑地整備事務所 川崎市生田緑地における協働のパークマネジメント01
生田緑地マネジメント会議
生田緑地運営共同事業体
川崎市建設緑政局緑政部生田緑地整備事務所 川崎市生田緑地における協働のパークマネジメント02
生田緑地マネジメント会議
生田緑地運営共同事業体
川崎市建設緑政局緑政部生田緑地整備事務所 川崎市生田緑地における協働のパークマネジメント03
協働のプラットフォームによる緑のマネジメント

豊かな自然資源の保全と、文化レクリエーションの利用促進の両立が求められている生田緑地において、長い歴史を背景に、緑地に関わる多様な主体の連携・協働による、緑地の運営管理が進められており、保全と利用の好循環が実現している。

川崎市の生田緑地は、75年に及ぶ歴史を有する緑地であり、緑地内には、雑木林や谷戸部の湿地、湧水等の豊かな自然資源が存在する一方、美術館、民家園、科学館等の多様な文化・レクリエーション施設が存在していることから、従来、公園管理者である川崎市のほか、自然、文化、歴史等に関する様々な市民団体等が管理運営にかかわってきた。 
平成23年に策定された「生田緑地ビジョン」では、「緑地の存在効用を前提とした利用効用との調整により、両者が好循環する仕組みをつくる」ことを基本的考え方とし、「豊かな自然・文化・人・まちが共に息づき緑がつなげる生田緑地の実現」を基本理念とすることが規定されている。そのような背景から、平成25年3月に「生田緑地マネジメント会議」が発足し、市民活動団体、地域団体、大学、行政、指定管理者等54団体が所属し、生田緑地の管理運営について、情報・意見交換、調整を行うとともに、市に対して提言を行うことのできる仕組みを形成しており、協働のプラットフォームを構築している。マネジメント会議は、「全体会」、「運営会議」、「自然環境保全管理会議」、「自然環境保全管理会議市民部会」の4会議が設置され川崎市と指定管理者が事務局を務めるとともに、「切手プロジェクト会議」、「生田緑地への案内を考えるプロジェクト会議」等が加わっている。
 このような生田緑地マネジメント会議の設立及び取組の推進により、様々な協働の形が誕生してきたと同時に、多様な主体が関わることによる課題解決や、新たな取り組みの推進につながってきている。また、多数の行政部局の施設が存在する生田緑地について、横断的な管理を可能とする指定管理者制度の導入による機動力と、柔軟な対応により、会議の議論や取り組みが確実な成果につながってきている点が、今後の公園緑地のマネジメント体制のあり方として高く評価された。