第36回 緑の都市賞

第36回 内閣総理大臣賞:緑の事業活動部門 (東京都港区)
森ビル株式会社 都市における生態系と防災のレジリエンスを高める、みどりのネットワーク
~みどりの拠点づくりと、それをつなぐ回廊の創生へ~
森ビル株式会社 都市における生態系と防災のレジリエンスを高める、みどりのネットワーク
~みどりの拠点づくりと、それをつなぐ回廊の創生へ~01
森ビル株式会社 都市における生態系と防災のレジリエンスを高める、みどりのネットワーク
~みどりの拠点づくりと、それをつなぐ回廊の創生へ~02
森ビル株式会社 都市における生態系と防災のレジリエンスを高める、みどりのネットワーク
~みどりの拠点づくりと、それをつなぐ回廊の創生へ~03
みどりの拠点づくりと、それらをつなぐ回廊の創生へ

「環境・緑」と「安全・安心」をテーマとし、都市の魅力と国際競争力を高めることは、街づくりに取組んでいる。職・住・遊・商・学・文化など様々な都市機能をコ ンパクトにまとめ、地上部緑地を創出し、個々の緑地がネットワークし高い機能を発揮するよう、点から線へ、地域へつながる緑のまちづくりに取組んでいる。

森ビル株式会社では、「環境・緑」と「安全・安心」を重要なテーマに掲げ、街づくりに取り組むにあたり、緑地における生態系サービスとレジリエンスの向上により 都市の魅力と国際競争力を高めることを目的として、平常時には心地よい空間として、非常時には安全な避難場所として、また、生きものにとっては生息や移動の拠点と なる緑地の創出や保全に取り組んできた。
「環境・緑」については、「生物多様性の保全と回復」と「エコロジカルネットワークの拠点づくり」をテーマとし、多様な生きものが集い行きかう生命力あふれる緑 地を先駆的に創出し、都心における生態系サービスを充実させ、東京の魅力を高めている。   また、緑地を活用した、子供達や地元住民向けの生きものワークショッ プや説明会等により生物多様性の理解を深めつつ連携を進めるための啓発活動に取り組んでいる。「安全・安心」については、「逃げ出す街から、逃げ込める街」をテー マとして、非常時に一時避難所として利用できる広場を各施設に設けるとともに、地元自治会や商店会、小学校等とともに震災訓練を実施するなど、レジリエンスを高め る取り組みを進めている。1980年代にアークヒルズにおいて大規模屋上緑化に取り組み、かつコミュニティー活動の場として活用を始めたのを契機に、1990年代 には阪神・淡路大震災を契機として施設内空地を防災に役立てる取り組み、2000年代には、愛宕グリーンヒルズにおける斜面緑地の保全や地域植生・地形の継承、六 本木ヒルズにおける毛利庭園の池の遺構の保存など歴史や自然の継承、さらには、2010年代に入るとアークヒルズ 仙石山森タワー、虎ノ門ヒルズにおいて地域潜在植生への配慮やモニタリングの実施等による生物多様性の保全と回復に取り組んできた。
このような社会情勢・環境課題を的確に捉えた緑の保全、創出、活用に関する様々な取り組みは、民間企業の緑化への取り組みを常に先導してきたものであり、また、 地元公共団体の生物多様性の保全の実現等に大きく貢献しているものとして高く評価された。