第32回 緑の都市賞

第32回 国土交通大臣賞:緑の都市づくり部門 (東京都三鷹市)
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市民協働で進める 水と緑のネットワーク 三鷹

三鷹市は、武蔵野の面影を伝える農地や雑木林、野川沿いの国分寺崖線など、今も緑豊かな風景が残っている。また、神田川など3 つの河川と歴史を伝える玉川上水の水辺空間があり、水環境にも恵まれた都市でもある。こうした環境を活かし、全市的に公園的な空間の実現に向けた市民と「協働」の取り組みが市の特徴である。市は、具体的プランとなる「緑と水の回遊ルート整備計画」に基づき、様々な緑化推進や保全事業の展開を図っている。大沢の里、牟礼の里、丸池の里、北野の里(仮称)の4 つの里を緑と水の拠点(ふれあいの里)として位置付け、それらを道路、河川、市民緑化等での緑と水のネットワーク化を進めている。里では、ワークショップによる公園づくりから始まり、市民主体のお祭りや、子ども達が楽しみながら自然について学び・ふれあう体験ツアーなどを実施するほか、子どもから大人まで幅広い世代の参加による「協働」の取り組みが実践されている。

こうした「協働」のまちづくりが、地域ぐるみのコミュニティ運動として根付き、今後も拡充、推進されるには、市民、関係団体等との連携強化や人財育成の仕組みなど、協働を支える基盤づくりが必要である。市では、平成21 年度に花と緑の市民活動をサポートする中間支援組織「NPO 法人花と緑のまち三鷹創造協会」を設立し、より市民に近いところで緑の市民活動の支援を行う体制を整え、緑と水の保全・創出に関わる担い手やコーディネーター等の育成、市民緑化支援機能の強化等により、更なる市民による市民への緑化意識の浸透の拡大が期待される。