第31回 緑の都市賞

第31回 奨励賞:緑の地域づくり部門 (千葉県白井市)
特定非営利活動法人 しろい環境塾 運動公園の森及び平塚の里
特定非営利活動法人 しろい環境塾 運動公園の森及び平塚の里01
市民の手で 里山を活かした まちづくりに挑む

NPO法人しろい環境塾が活動するフィールドは、北総台地に広がる首都圏では数少ないまとまった森や里山である。しかしながら、農林業の不振と無秩序な開発によって緑地は減少し農地は荒廃し、ゴミの不法投棄が増え、森や林は手入れがなされず藪化が進み、近づくことすらできないものとなってしまった。この貴重なみどりを次世代に引き継ぐためには、農家とともに、市民・行政・企業・学界等が協働で里山を保全するシステムづくりが必要である。そのような考えのもと、次世代へより良い環境を継承し、やすらぎのあるまちづくりに寄与することを目的とし、2000年に「しろい環境塾」は設立された。白井市平塚地区等では「里山を生かしたまちづくり」モデル事業がスタートし、11年間の活動の結果、7.4haの樹林地の保全、3.6haの耕作放棄地等を生産農地に復元し、それぞれを管理するまでになった。2008 年から取組む「里山の生き物復活大作戦」では、手賀沼沿いの田んぼで無農薬、冬水田んぼ等に取組み、絶滅危惧種のアカガエル、トウキョウダルマガエル等の復活に成功している。

多くの人に、緑化や緑の保全に対する理解を深めてもらうために、活動する緑地は市民開放を前提としている。市民や次代を担う子どもたちに里山の大切さ、楽しさを知ってもらうために、子どもの環境教育、森の音楽会、森の中の流しそうめん等のイベントも行っている。「里山を活かしたまちづくり」を北総全域で展開しようと、北総域18の環境関連団体で「北総里山クラブ」を結成し、その活動は近隣地域に波及している。