誰もが愛し親しむ 豊かな森づくりを 相模原市の近郊緑地保全地区に指定されている「木もれびの森」は、市街地に隣接した平地林で、交通の便も良く人々が容易に訪れることができる73haの雑木林である。「首都圏の奇跡」とも言われるこの貴重な森も、薪炭林としての役目を負え60年近くが経ち、手入れされず放置されてきたため、下草が生い茂り細い高木が樹冠を覆い暗く荒れた森となってしまった。そこで、行政、環境団体、市民が協働して森づくりに取組むこととなった。
NPO 法人相模原こもれびは、地権者である神奈川県、相模原市とパートナーシップ協定を締結し①森づくりとその保全②子どもの健全育成③自然保護意識の普及・啓発を指針に掲げ、地域の貴重な環境資源であるこの森を、将来に亘って健全に保全することを目指し活動している。
園芸種や外来種は基本的には排除し、樹木も草本類も自然発生したものは保全している。薪炭林の手入れを放棄して以来、樹木構成はかなり変化しているが、高木については、日照条件の改善に必要な間伐のみを行っており、明るくなった森の林床には、キンラン、ヤマユリ、フデリンドウなどの希少種をはじめ様々な草花が蘇ってきた。森の保全活動は長い期間に亘って継続していくものであり、担い手の育成と拡がりを図っていくことが肝要となる。自然観察会や体験講座、近隣学校の環境学習への協力、行政や地域の公共団体との協働事業の実施など地域とふれあう機会を設け、新たな担い手づくりにも取組んでいる。 |