第31回 緑の都市賞

第31回 国土交通大臣賞:緑の地域づくり部門 (茨城県日立市)
赤羽緑地を守る会 赤羽緑地
赤羽緑地を守る会 赤羽緑地01
人と自然が共存できる ビオトープ緑地公園

「赤羽緑地」は日立市の南部に位置し、JR常磐線大みか駅から南に徒歩20分の常磐線沿いに在り、雑木林に囲まれた中央に大小のため池を有す広さ7.3ha の緑地である。

「赤羽緑地を守る会」は日立市と公園里親協定を結んだボランティア団体で、緑地の自然環境維持や、緑の保全に取り組んでいる。子ども達が動植物を観察できる学習の場として、また多くの人が自然に親しむ憩いの場をとして“人と自然が共存できるビオトープ緑地公園”づくりを目指している。

雑木林の保全再生や緑地の環境整備を目的に、野鳥や昆虫が豊富に観察できるクヌギ・コナラ等の高木類の植樹、また野鳥が好む食餌植物の低木類を植樹している。緑地の湿地帯の特性を活かして、クリンソウ、ミズバショウ・ヒガンバナ等の生育環境を充実させる取組みも実施している。枯れ木等は丸太の椅子等に加工し遊歩道の所々に設置して、安らぎを与える環境づくりに工夫している。生き物を育む“ビオトープ緑地公園”を目指し、草刈は刈払い機や手作業で行い、除草剤等の薬剤は一切使用しない。また、ため池を周遊する遊歩道も湿地帯部分については木製歩道を設けるよう配慮し、観察池の中央には子どもたちが水生生物を観察しやすいよう八橋を架けるなど工夫している。

緑地として整備する前は、雑木林の中に古タイヤ・冷蔵庫・自転車等々の廃棄物がいたる所に投機されていた。廃棄物の撤去をメンバーの手作業で行うところから活動は開始し、ようやく現在の緑地としての景観を取り戻すことができた。最近は地域の小学校児童の自然観察学習の場としての利活用機会が増加えており、地域の環境教育の拠点として益々の活動の充実が期待される。