第30回 緑の都市賞

第30回 都市緑化機構会長賞:緑の地域づくり部門 (東京都荒川区)
荒川バラの会 東京都荒川区
荒川バラの会 東京都荒川区01
都電とバラで まちを明るく元気にする

荒川区では、多くの人に親しまれている都電荒川線の沿線を区のみどりの軸として、また、観光資源として成長させようと、昭和60年より都電沿線のバラ植栽事業に取組んでいます。現在では、約1万3,000 株ものバラが植栽されており、花の季節には華麗に咲き誇るバラを目当てに多くの人が訪れます。この都電沿線のバラの一部を維持管理しているのが、ボランティアグループ“荒川バラの会”です。会員は、美しいバラを咲かせようと、熱心に日々の手入れを行うほか、区が開催する講習会を受講するなどし、維持管理技術の向上に努めています。花がら摘み、剪定、水遣り、施肥など、バラの維持管理には手間がかかりますが、会員の努力の甲斐あって都電沿線のバラのボリュームは、年々増しています。また、バラの会の発案により、昨年始まった“あらかわバラの市”は、今年も町屋駅周辺で開催され、5,000鉢ものバラが販売される盛況なイベントとなりました。バラの会の活躍により、都電沿線のバラは美しさを増していくとともに、ゴージャスなバラが荒川区中の庭先にまで拡がっていくことが期待されています。

【評価コメント】

荒川区は古くからの街並みが続き、軒先に鉢を置き楽しむくらいで、庭など緑の空間が少ない。都電荒川線沿いや公園にバラを植栽している荒川バラ会の人々は、区の呼びかけに、自分の庭替わりにバラを植えて楽みたい、この機会にバラの育て方を習いたい、という人が多いようだった。そうした一般の人々の気負いないボランティア参加と熱心な剪定作業で、見事な景観がつくられ、遠方より人が見に来るようになった。今では、地域をもっとよくしたいと、花の市を、区に提案し実現している。活動の中心に住民の笑顔があり、区がうまくサポートしていることで、さらなる動きに期待が持てた。バラの植栽をきっかけに、各地の状況に目を向けたり、花や緑の事を学び、地域緑化の様々な夢を語り合う仲間へと発展してほしい。