第14回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール

第14回 審査委員会特別賞:屋上緑化部門 (東京都足立区)
学校法人芦田学園
東邦レオ株式会社
屋上の芝生園庭、千住寿幼稚園
学校法人芦田学園 東邦レオ株式会社 屋上の芝生園庭、千住寿幼稚園01
学校法人芦田学園 東邦レオ株式会社 屋上の芝生園庭、千住寿幼稚園02
学校法人芦田学園 東邦レオ株式会社 屋上の芝生園庭、千住寿幼稚園03

本作品は、東京都足立区にある幼稚園の屋上部につくられた160㎡の屋上庭園である。
千住寿幼稚園は昭和29年4月に開園し、知育・情操・体育を保育の3本柱として、調和のとれた人間像を育成することを目標としている。都市ならではの狭い敷地でも、幼児期の身体を動かす体験によって健やかに育つよう、一年を通して緑の芝生空間を屋上に導入している。
緑化駐車場等で採用されている芝生用耐圧基盤土壌と、屋上緑化で使用されている貯排水層を組み合わせたシステムを採用し、当初の「上手くいかないのではないか」「手入れが大変なのではないか」という懸念を克服し、良好な芝生園庭を維持することができている。芝生は回復力が早く柔らかいティフトン419とペレニアルライグラスを採用している。
屋上の芝生化に加え、屋上フェンスには、フェンスにフウセンカズラやモッコウバラを絡ませるなどし、平面的になりがちな屋上緑化を立体的に演出している。また、屋上への上り口は、立体遊具と一体となっており、園児たちが屋上に上がりたくなるよう工夫を施している。
維持管理に関しては、専門家と幼稚園職員が連携して行っており、芝生の刈り高や季節毎の灌水量の設定と生育診断、冬芝の播種と生育管理は専門家が行い、芝刈りや施肥といった日常管理は、専門家のアドバイスを得て幼稚園職員が行っている。
芝生にとっては過酷な環境ともいえる園庭を「一年を通して緑に」という、意欲的な目標に対し、技術的な工夫と幼稚園職員の努力により課題克服に取組んでいる点が評価された。