本作品は、新築の事務所ビルの1F に設置された81.4㎡（南面52.6 ㎡/北面28.8㎡）の壁面緑化である。特徴的な緑化技術として①神田の街並みに溶け込むデザイン、②設置場所に応じた緑化工法の採用、③地域から親しまれる緑地を維持するためにをあげている。
本作品では、ビジネスエリアでありながら古くからの建造物が残る町「神田」に位置し、その歴史的街並みに溶け込む再開発をめざして計画されたものである。本棚をモチーフとした彩り豊かな壁面緑化を日本で古くから親しまれてきた品種25 種を用いて表現している。また、四季を感じられるように彩りや配置にも工夫を行っている。加えて、緑化ポットと同じモジュールの照明を設計し夜間の演出にも配慮している。屋上には、分煙スペース等を持っている屋上庭園も整備している。更に、北側壁面の壁面緑化では、地植えのワイヤー式垂直緑化を実施している。また、管理面では、晴海トリトンスクウェアで常駐管理を実施している熟練スタッフが定期的な巡回を行ない、蓄積したノウハウを活かした管理を実施している。
本棚のイメージの設定などに地域特性が感じられ、「設置後約１年で１０ｍまで登攀」を可能にした技術を導入するなど、細部に渡って工夫された取組みが高く評価された。