富士ゼロックスＲ＆Ｄスクエアは横浜市みなとみらいにある新築の研究開発拠点施設である。１階の外周緑地とつながる丘状の屋上庭園は4,275㎡で、建築基壇部の2階から3階部分に設けられた高低差のある４箇所のテラスにより構成されている。
公開空地である庭園には日本の色彩と植物文化を代表する植物など、350種類を植栽しているほか、人が立ち入れない里山ゾーンを設け神奈川県の里山草地から表土を移植し、固有の種構成を保つよう手作業による管理を行っている。
高木が強風により倒木するのを防ぐため、根鉢の大きな株立ち状のものを主体に植栽し、地下支柱と地上支柱を併用している。植栽基盤はかさ上げ材により軽量化を図っているほか、排水ドレーンの詰りにより排水が滞ることがないようコンクリート製浸透枡どうしを有孔管でつなぐ安全策を講じている。
日本の色彩と植物文化、生物多様性保全をテーマとした多彩な植栽と、緑量ある緑を支える植栽基盤の工夫が、オフィスビル緑化の好例として評価された。