日産先進技術開発センター グリーンキューブ及び屋上庭園は、神奈川県厚木市のオフィス・実験棟群に設置された緑化空間で、階段状ガラス屋根のオフィス棟の中に、3層をまたぐ形で設けられた坪庭状の屋外植栽空間「グリーンキューブ」と、芝生を主体としたテラス、厚生棟の屋上庭園の計2,600㎡からなる。
オフィス内に設けられたグリーンキューブは構造上荷重条件が560kg/㎡に制限されるため、押さえコンクリートのかわりに2重の耐根シートを用い、側面にも植栽可能な軽量メッシュカゴを採用することで軽量化を図りつつも、6m以上の高木をはじめ低木・草本を用い、立体的な緑化を実現している。自動潅水を用いず植栽基盤に保水・排水経路を埋設し、雨水を利用した池も備えるなど屋外植栽空間としての特長を活かした空間設計を行っている。
また、テラスや厚生棟屋上庭園は、建物パラペット沿いにメッシュカゴ側溝と排水板を設けることで建物内への浸水を防ぎつつ、屋上防水ぎりぎりに植栽基盤を近づけ、建物と緑の一体性を高める工夫を行うなど、周囲の自然と一体化した景観作りをしている点や、オフィス空間での新たな緑化空間の提案が評価された。