普連土学園120 周年記念館は、東京都港区にある私立の中学校・高等学校の校舎であり、屋上庭園、バルコニー、ライトコート、アプローチ、学校擁壁等、校舎全体を一体的に緑化した取組である。
生徒の個性と対話を重視する教育方針に基づき、150 種類以上の植物を選定し、花や葉の形状・色・香りなどの個性を活かしつつ、調和のとれた植栽計画を行っている。また、地域との繋がりを重視して学校擁壁の圧迫感を軽減するため2 段擁壁とし、多彩で緑量豊かな植栽を行うとともに、校舎バルコニーの軒先にヘデラを植栽し、教室の窓からは下垂する緑を、グラウンド側からは緑が校舎壁面を覆っている様子を見せるなど、建築とランドスケープをつなぐ工夫を行っている。
また、屋上庭園、バルコニー、ライトコートでは雨水貯水槽を設け自動潅水を行うなど、生徒や学校関係者の細やかな管理により、多彩な植栽を質の高い状況で維持している。
緑を教育環境の基盤として捉え、教育方針や学園の思想を緑化により具現化している点や、地域の景観向上に寄与している点が、これからの学校緑化を先導する好例として高く評価された。