第40回 緑の都市賞

第40回 国土交通大臣賞:緑の市民協働部門 (宮城県岩沼市)
玉浦西まちづくり住民協議会 緑の文化を生かした心を繋ぐ復興
玉浦西まちづくり住民協議会 緑の文化を生かした心を繋ぐ復興01
玉浦西まちづくり住民協議会 緑の文化を生かした心を繋ぐ復興02
玉浦西まちづくり住民協議会 緑の文化を生かした心を繋ぐ復興03

東日本大震災から9年。津波により、家族・家・生業の場を失いながらも沿岸部の旧6集落が力を合わせて取り組んだ新たなまちづくり。郷土の文化的景観といえる居久根に囲まれた緑豊かな原風景の再生とコミュニティの絆を何よりも大切にした住民総出の活動により震災復興を超え、次世代に繋がる取り組みとなっている。

宮城県岩沼市沿岸部の6集落(相野釜・藤曽根・二ノ倉・長谷釜・蒲崎・新浜)は、東日本大震災直後の津波により壊滅し、その後の復興計画により玉浦西地区に集団移転が決定し、住民自らにより新しいまちづくりが検討されてきました。
地域の文化的景観である居久根を移転先でも継承すべく、新しいまちの公園・居久根の未来を考えるワークショップを開催し、仮設住宅でドングリから苗木の育成を始めるなど、被災前の地域の繋がりを集団移転の新しいまちづくりのプロセスの中でも育んできました。
伝統的な知恵や技術が備わったグリーンインフラである「居久根」の再生、被災した貞山堀の橋柱の活用、豊かな生物多様性の基盤となっている調整池等、地域や環境への様々な工夫や配慮がされています。
被災から9年半、コミュニティ全体の繋がりを大切にしたまちづくりは、グリーンリカバリーともいえ、新たな世界の創造に繋がるものと高く評価されました。