第36回 緑の都市賞

第36回 都市緑化機構会長賞:緑の事業活動部門 (大阪府大阪市)
ダイビル株式会社
株式会社日建設計
新ダイビル堂島の杜
ダイビル株式会社
株式会社日建設計 新ダイビル堂島の杜01
ダイビル株式会社
株式会社日建設計 新ダイビル堂島の杜02
ダイビル株式会社
株式会社日建設計 新ダイビル堂島の杜03
森づくり、まちづくりの精神を継承する

半世紀前に、屋上緑化の先駆けとして誕生した、旧「新ダイビル」の屋上樹苑に込められた想いを「堂島の杜」整備に継承。屋上樹苑で育ったケヤキやモミジ等の樹木の一部を移植し、「樹木」と森づくりの「精神」の継承した緑地を新たに創出。

1963年に竣工された旧・新ダイビルの屋上樹苑は、「人だけでなく生物にとって優しい森」をコンセプトとしており、大規模な屋上緑化(約1,000坪)のさきがけとして、当時としては先見的であった生物多様性の思想に基づき創出され、人や生物にとっての貴重な空間を形成してきた。2015年に新築された新・新ダイビルの足元には、旧ビルの屋上樹苑の、在来種を中心とした樹木を用いることによる生態系に配慮した森づくりの「精神」、1,000坪という堂島の杜を整備するという「スケール」、そして、屋上樹苑で育ったケヤキやモミジ等の樹木の一部を移植することによる「樹木」、それらを継承することにより「堂島の杜」を整備した。
旧・新ダイビルからの樹木の移植をはじめとする緑の継承により、新たに人工地盤上に緑量感があり、潜在自然植生種を中心とした自然な森を創出するとともに、南側に位置する堂島川河岸の堂島公園の施設を改修し大阪市に寄付すること、堂島公園のケヤキ並木と調和した新たなケヤキ並木を植栽するなど、堂島川から堂島の杜へと続く快適な空間の形成や景観形成にも貢献している。
このように、50年以上に及ぶ歴史ある緑を、緑化技術を駆使するなどして現在に継承し、大阪市の中心部の拠点となる緑を創出したことが評価されたものである。