第36回 緑の都市賞

第36回 国土交通大臣賞:緑のまちづくり部門 (愛知県東海市)
東海市 愛知県東海市
東海市 愛知県東海市01
東海市 愛知県東海市02
東海市 愛知県東海市03
花と緑の豊かなまちなみをつくる

全国に先駆け「緑化及び花いっぱい推進条例」の制定など緑化推進に努めてきた。最近では、緑の基本計画に基づき、玄関口である太田川駅周辺の整備、歴史資源を活用した散策路整備、加木屋緑地の保全・活用がなされ充実した緑のまちづくり推進されている。

東海市は、西は伊勢湾、北は名古屋市に接しており、名古屋駅及び中部国際空港までそれぞれ20分以内という利便性の高さから、直近5年間で人口が5千人程増加するなど都市化・宅地化が進んでいる、人口11万人の都市である。
総合計画(H26~H35)では「花と緑の豊かなまちなみをつくる」を施策に掲げるとともに、緑の基本計画(H19~H28)で設定した、環境、健康、景観、安全、市民参加に関する基本方針に基づき、緑の保全と創出に取り組んでいる。加木屋緑地は、市内でまとまりのある自然林がなくなりつつある中で、約13.9haを平成20年に都市計画決定し、市が買収することで、生物の生息地としての保全を図るとともに、自然とふれあう場、クロスカントリーコースなど健康づくりの場として整備を行い、平成26年に完成したものである。市の中心市街地に位置する太田川駅の周辺を市の玄関口として総合的に整備するため、平成4年度から土地区画整理事業等を実施してきているが、緑をいかした高質な駅前空間づくりのシンボルとして、駅前広場と一体に整備した幅員50m及び30mの太田川駅の東西に延びる歩道があり、東側はケヤキ並木、西側は全天候型の大屋根などデザインにも配慮した緑あふれる美しい駅前空間が特徴となっている。これら一部を公園との兼用工作物とすることにより、地域の様々なイベントの開催など、市民の憩いの場として利活用されている。
このほかにも、都市環境の改善、防災対策など多機能な役割を持つ環境保全林の整備を進めており、特に市の西部の臨海工業地帯と内陸部の住宅地の緩衝緑地帯の整備を、市民や福祉団体などの協力を得て進めるなど、市民及び企業の参加による森づくりや緑化活動を進めている。
このように、緑の基本計画等に基づき、都市の骨格となる緑の保全と創出を着実に推進し、実現に至っている点が高く評価された。